報告:武蔵大学共催 「短期受入プログラムオリエンテーションのベストプラクティス・ワークショップ」(2019年7月12日、東京)
武蔵大学共催 「短期受入プログラムオリエンテーションのベストプラクティス・ワークショップ」
(2019年7月12日、東京)
開催データ
Workshop on Best Practices for Orientation Programs for In-Bound Short-term Students 短期受入プログラムオリエンテーションのベストプラクティスワークショップ |
---|
主催: JAFSA |
共催: 武蔵大学(JAFSA団体理事) |
日 時: 2019年7月12日(金) 9:45-17:15 |
場 所:武蔵大学 江古田キャンパス(東京) |
参加者数:13名/大学(12)、賛助会員(1) |
【団体正会員大学】(**-国立大学法人、*-公立大学法人)
(参加者所属機関:地域別50音順)
<関東地方>
青山学院大学、神奈川大学、国際基督教大学、清泉女子大学
大正大学、中央大学、東京家政大学、東洋大学、一橋大学**、立正大学
<関西地方>
神戸大学**
【賛助会員】
(株)早稲田大学アカデミックソリューション
講 師(敬称略):
-Brian Masshardt (Director, East Asian Studies Program / Associate Professor, Faculty of Humanities/Musashi University)
-Stephen Hesse(Associate Director, International Center / Professor, Faculty of Law / Chuo University)
使用言語: 英語
研修内容:
Opening remarks/participant introductions |
---|
Session I: Presentations on Orientation Topics -Creating Connections and Activating Students -Addressing Challenges and Adjusting to Change -Initiating Awareness: Study-Life Balance Abroad |
Session II: Voices of Students: Stories from In-bound Students |
Tour of Musashi Communication Village (MCV) |
Breakout Sessions Session III: “An Orientation Should Be…” Session IV: Group Orientation Planning and Development |
Session V: Group Presentations & Discussion of Best Practices |
報告
報告者:森野朋子(神奈川大学)
2019年7月12日(金)、武蔵大学・江古田キャンパスにて短期受入プログラムオリエンテーションのベストプラクティス・ワークショップが実施された。12大学、1賛助会員より13名が参加し、武蔵大学のBrian J. Masshardt 氏、中央大学のStephen Hesse氏より講義を受けた。
はじめに、Brian氏よりワークショップの趣旨・説明を受け、その後、各参加者の考える「留学生向けオリエンテーションに必要なことは何か、注意すべきことは何か」を自由に模造紙へ書き出し共有した。その後に、自分の好きな言葉、大切にしているもののなども含めた自己紹介を行い、とても溶け込みやすい環境のなか、ワ–クショップが始まった。
Session Ⅰでは、Stephen氏およびBrain氏より、メンタルヘルスについて、カルチャーショックおよび心身の健康についての講義があり、多くの留学生が来日後間も無くして受けるカルチャーショックについて、予備知識として留学生に伝えること、もしそうなった時に相談できる場所があることを伝えることが大切さの説明を受けた。また、比較的欧米圏の留学生に多い、直接的な表現で相手に伝える“High context communication”と、アジア圏の留学生に多い、あいまいな表現で相手に伝える”Low context communication”についての説明を受け、欧米圏からの留学生の受けるショックと、アジア圏からの留学生の受けるショックは、それぞれ異なる傾向にあることを学んだ。カルチャーショックを受けることはとても自然なことであり、適切な食事、睡眠をとり、仲間がいれば乗り越えられることが多いが、心のバランスを崩してしまいうつ状態になる状況と類似しているので、留学生が我慢することなく気持ちを伝えられる環境整備の大切であることの説明があった。
Session Ⅱでは、武蔵大学に在籍する3名の留学生から、来日前の準備、来日時のオリエンテーションの内容や、日本での生活についての話を聞いた。3名の学生はオリエンテーションでカルチャーショックについての予備知識を学んだことにより、多少のカルチャーショックは経験したものの、その状況を受入れ、充実した留学生活をすごしているとのことだった。
昼食後、武蔵大学のMCV(Musashi Communication Village)を見学した。MCV内では日本語以外の言語でコミュニケーションすることがルールだが、学生達が活発に交流している姿が印象的だった。英会話をしながらいろいろな国の料理を作りコミュニケーションを図るイベント等も開催しているとの説明があり大変興味深かった。
Session IIIでは、Brian氏から「留学生にとっての効果的なオリエンテーションとは何か」についての講義があり、その後、受入留学生の人数規模に従い4グループに別れ、オリエンテーションでの必須内容や、来日前、来日直後、留学期間中と時系列で留学生が必要とする情報について話しあった。各大学それぞれ実施しているオリエンテーションの内容を共有し組み合わせ、理想のオリエンテーションとは何かを考え、最後にグループ毎に発表した。この発表では各大学で取り組んでいるオリエンテーションの内容を知ることができた。
今回の参加者の多くが、留学生の受入れを担当しており、日々抱える課題や疑問も類似することが多いため情報共有できたことがとても良かった。また、原則、英語で行われるワークショップだが、終始和やかに進み質問等もしやすい環境であったため、緊張することもなく有意義な学びの時間だった。是非、今後の業務に活用させていきたい。
以上